カジュアルに食べられるピザは、炭酸飲料やビールとともに楽しまれることが多い一方、ワインの生産量世界No.1のイタリアの伝統的な食事ということで、ワインとの組み合わせも楽しめます。本記事では、ピザとワインの合わせ方をご紹介します。
ピザとワインの相性
ピザを食べるときにどのような飲み物を合わせますか?本サイトでも「ピザとイタリア」「ピザの名前の由来」といった記事で紹介してきたように、ピザはもともとストリートフードとして食べられ始めたカジュアルな食事です。チーズやサラミをたっぷりトッピングしたアメリカンなピザに炭酸飲料やビールを合わせてカジュアルにピザを楽しむ人も少なくないでしょう。ピザの本場イタリアでもこれは人気の組み合わせです。
ただ、イタリアのシンプルな伝統的なピザは、ワインとの相性もよく、ピザ好きでお酒をたしなむ人であれば、ピザとワインを組み合わせる楽しみも、ぜひ知っておきたいところです。ピザの国イタリアは、世界一のワインの生産量を誇ることでも知られています。往往にして土地の食事と飲み物の相性はよいものです。
ピザとワインを組み合わせる際には、それぞれの好みにもよりますが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。一つ目は季節です。暖かくなり始める春、気温が上がる夏には爽やかな辛口の白ワインやスパークリングワイン、気温が下がって温もりが恋しくなる秋冬には渋くて重めの赤ワインが合います。
季節によって食べたいピザも変わります。暑い季節にはシンプルで素材の味を楽しめるマルゲリータ、軽めでフレッシュなサラダピザ、寒い季節にはチーズや肉加工品を贅沢に乗せたピザが合います。こうして見てみると、季節ごとに飲みたいワインと食べたいピザの相性はよさそうです。
二つ目のポイントはピザのトッピングとワインの相性です。ワインと食材を組み合わせるというと「赤ワインと肉、白ワインと魚」という一般論を思い出す人もいるかもしれませんが、すべてがこの限りではありません。たとえば、軽めのマルゲリータのようなピザには爽やかな白ワインが合いますが、ここに生ハムなど肉加工品を乗せても白ワインがよく合います。甘口で微発泡のイタリアの赤ワイン、ランブルスコを合わせるのもよいでしょう。ランブルスコはワインの中ではアルコール度数が低く、口当たりがよいため、アルコールをあまり飲まないという人にも飲みやすいワインです。ワインを選ぶときには、どんなピザと合わせるのかお店の人に具体的に伝えて、おすすめを聞いてみるのも一つの手です。
最後のポイントは価格です。冒頭でも触れましたが、ピザはもともとストリートフードだったことから、必ずしも高級なワインを合わせる必要がないことを知っておくと、より気軽にピザとワインの組み合わせを楽しめます。1000円以下の手頃な価格のワインの中にも、先にふれたランブルスコのように驚くほどピザと相性のよいものがあります。お値打ちワインを買って、その味からどのようなピザを作るか考えるのも一つの楽しみ方です。
ワインと相性のよいピザ
一般的にシンプルなピザの方が素材の味が際立ち、ワインと合わせやすくなります。シンプルなピザの代表格として、イタリアの伝統的なピザ、マルゲリータやマリナーラがあります。これらのピザには、辛口のすっきりしたさわやかな白ワインが合います。食事のどのタイミングでピザを食べるのかにもよりますが、スパークリングワインを合わせてもよいでしょう。マルゲリータについて詳しく知りたい、自分で作ってみたいという人は、本サイトの記事「ピザマルゲリータ」も参考にしてください。
シンプルなピザはマルゲリータやマリナーラだけではありません。チーズを活かしたピザは、もともとチーズとワインの相性がよいことから、ワインとの組み合わせを楽しめます。4種類のチーズを使うクアトロフォルマッジは、渋くて重い赤ワイン、甘口の白ワイン両方と合わせることができ、季節や時間帯、気分によって組み合わせを変えてみるとよいでしょう。クアトロフォルマッジでは異なる種類のチーズを混ぜてトッピングすることもありますが、個々の味を楽しみたい場合は、ピザ生地を4つのエリアに分けてトッピングし、ワインを複数用意すると、さまざまな組み合わせを試すことができます。
クアトロフォルマッジのほかに、チーズとフルーツを組み合わせたピザもワインと相性のよいピザです。たとえば、晩夏から初秋にはすっきりした白ワインと桃とモッツァレラのピザ、秋冬にはフレッシュチーズとリンゴとシナモン、ブルーチーズと洋梨とどっしり重めの赤ワインがよく合います。ピザとフルーツについては、本サイトの記事「フルーツとピザ」も参考にしてください。
意外な組み合わせとして押さえておくとよいのが、和風のピザと赤ワインです。世界で人気の照り焼きチキンピザなど、和風の甘辛のしょうゆ味には、ビールなどを合わせることが少なくありませんが、ワインと合わせたいという場合には赤ワインを合わせてみてください。意外な相性のよさに驚く人も少なくないでしょう。外国人のゲストを迎える場合にもよい話題になります。和風ピザということで、国産の赤ワインを合わせてみてはいかがでしょうか。
ピザとワインを合わせる際の注意点
ここまででピザとワインの相性のよさが伝わったことでしょう。ただし、ワインを飲みながらピザを食べるときには注意したいこともあります。
一般に、ピザに使うトマトソースの酸味と、赤ワインのタンニンはあまり相性がよくないと言われています。そのため、トマトソースを使ったピザに赤ワインを合わせる場合は、タンニンの少ないまろやかなものや、ランブルスコのように甘みのある発泡性の赤ワインを合わせるとよいでしょう。ピザにトマトソースを使わないというのも一つの手で、チーズを活かしたピザがこの代表例です。
また、アルコールを飲みながら食事をすると、ついつい食べる量が増えてしまいがちです。食べ過ぎを防ぐためには、ピザやワインにどのくらいのカロリーがあるのか事前に知っておくとよいでしょう。健康に気を使いながらピザを食べる方法については本サイトの記事「ピザと健康」を参考にしてください。食品の栄養素とカロリー計算に関するサイトカロリーSlismによると、一般的なワイン1杯80gのカロリーは赤ワイン(*1)、白ワイン(*2)ともに58キロカロリーです。
まとめ
本記事ではワインとピザの組み合わせのアイデアを紹介しました。ワインというと、フランスの名前が聞こえてきそうですが、イタリアには味と価格で魅力的なワインがたくさんあります。本記事をきっかけに、ピザを入り口として、イタリアワインの世界をピザとの組み合わせで探求してみてはいかがでしょうか。