最近は、宅配ピザに冷凍ピザなど様々なスタイルで楽しむことができるピザですが、自分で作って食べてみたいと思ったことはありませんか?
自分でこねてトッピングをして焼いて・・・きっとおいしいだろうけれど、大変そうで手が出せないという人も多いことと思います。出来立ての手作りピザを自宅で楽しむ贅沢、味わいたくてもハードルが高いイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
普段は宅配や冷凍食品でピザを楽しんでいる人にとっては特に難しそうに感じることもあるかもしれませんが、中には発酵なしで焼くことができるレシピもあるなど、初心者にも優しい料理でもあります。
今回は、ピザを作る工程でも特に難しいイメージの強い、生地の作り方について使用する粉の種類や発酵時間など詳しくご紹介していきます。
ピザ生地に使われる粉は小麦粉?
パンやお菓子作りに欠かせない小麦粉。実は小麦粉にはグルテンの含有量によって3つの種類があることを知っていますか?
小麦粉には、薄力粉、中力粉、強力粉の3種類があるのです。
薄力粉
ケーキ作りやお好み焼き、てんぷらの衣など日常的に使われることが多い小麦粉が「薄力粉」です。グルテンというたんぱく質の量が3種類の中で最も少なく、含有量が8.5%以下のものを指します。3つの小麦粉の中で最も粘性が低いため、てんぷらの衣など、さっくりした食感が好まれる料理に使用されています。
中力粉
薄力粉と強力粉の間の性質を持つ小麦粉で、うどんなどの麺類で使われることから“うどん粉”とも呼ばれます。うどん以外にも、ドーナッツやかりんとうなどのお菓子作りにもよく利用されている小麦粉です。中力粉がないときは、薄力粉と強力粉を1:1の割合で混ぜ合わせることで代用可能なので、中力粉が手に入らない場合や中力粉が少量だけ必要な場合にも覚えておくと便利です。逆に薄力粉や強力粉の変わりに中力粉を代用することも可能ではありますが、膨らみが足りないなど思うような仕上がりになりにくいので、注意しましょう。(1*)
強力粉
3種類の小麦粉の中で、グルテンの含有量が最も多い12%以上の小麦粉で、粘性と弾力性の高さが特徴的です。粘性が強いため、もっちりとした食感が好まれるパンやパスタづくりに重宝しますが、スポンジケーキなど使用するとボソボソとした固い食感に仕上がってしまいます。強力粉の中でも品種によって含有量が変わため、もちもちした食感が良いか、さっくりとした食感が良いかによって選ぶ強力粉が変わってきます。
食感別ピザ生地レシピ
ふわふわピザ生地
<材料>
強力粉
薄力粉
ドライイースト
塩
オリーブオイル
ぬるま湯
<作り方>
①強力粉250gに薄力粉50gとなるように強力粉と薄力粉を5:1の割合で用意します。他の材料は薄力粉50gに対してドライイースト5グラム、塩3g、ぬるま湯150g、オリーブオイル大さじ1を混ぜ合わせましょう。
②ふわふわのピザ生地を作るためには、小麦粉に含まれているグルテンがしっかりと出てくるように、たくさんこねます。グルテンは、こねればこねるほど出てくる特徴があるので、伸ばしたり、叩いたりしながら、十分にこねるようにしましょう。
③常温で1~2時間1次発酵をします。
④発酵した生地のガス抜きをして、1個170gぐらいになるように分けて20分間2次発酵を行います。この時、生地が乾燥しないように濡れた布巾やラップをかけることを忘れないようにしましょう。
⑤生地を成形してオーブンレンジ、もしくはオーブントースターで15~25分程度焼きます。
少し固めのナポリ風ピザ生地
<材料>
ふわふわピザ生地と同じ。
強力粉と薄力粉の割合は1:1になるように準備をします。
<作り方>
①混ぜ方や発酵方法については、もちもちピザ生地を作るときと、ほぼ同じです。
②生地を伸ばすときは、通常よりも一回り大きなサイズまで薄く伸ばすようにしましょ。オーブンの温度もふわふわピザ生地よりも設定温度を低め、焼きあがるまでの時間もやや短めにします。
発酵なしで作るサクサククリスピーピザ生地
<材料>
強力粉
薄力粉
水
ベーキングパウダー
強力粉と薄力粉が1:1になるようにします。
強力粉、薄力粉が100gに対し、水150ml、ベーキングパウダー10gとなります。
<作り方>
①ふわふわピザ生地やナポリ風ピザ生地とこねる工程までは同じです。
②こねた生地を伸ばして、成型します。生地が固くなりやすいため、めん棒などを使用して少しずつ伸ばすようにしましょう。
③予熱した200℃のオーブンで20分程度、1000Wのトースターで10分程度焼きます。
発酵方法と確認の仕方
発酵の方法
生地をこねたあとの発酵方法についてご紹介していきます。
こね終わった生地は、丸くまとめて表面が滑らかになるようにします。生地がつかないようにオリーブオイルを薄く塗ったボールに生地を入れ、そのボールよりも一回り大きなボールにぬるま湯(40℃くらい)を入れて生地が入っているボールを浮かせます。
乾燥しないように、濡れ布巾やラップをかけて置いておきます。
発酵時間は季節や室温によって異なるため、目安を認識しておくことが重要です。
発酵の確認
きちんと発酵したか、“フィンガーテスト“で確認をします。
人差し指に強力粉をまぶして生地の中央に指をさします。指を抜いて穴がすぐにふさがってしまう場合は発酵不足となるため、もう少し置いておく必要があります。逆に穴が小さくならなければ発酵が十分にできたサインにもなります。
生地そのものの大きさが2倍に膨らむこともサインになりますので、大きさを見てからフィンガーテストで確認をするといいでしょう。
注意点
・薄力粉を混ぜる場合は、均等に混ぜ合わせるため、乾いた状態で粉同士を混ぜてから他の材料を入れるようにしましょう。
・焼きあがり時間は、オーブンやトースターの機種によって変わります。チーズのとろけ具合などを見て調整してください。
・フライパンで焼くことも可能ですが、ピザは上からの熱も重要なポイントとなるため、できるだけオーブンやトースターを利用して焼くと美味しく作ることができるでしょう。
まとめ
小麦粉に種類があることを知らない人も少なくありません。
それぞれの小麦粉の特性を理解し、応用することで自分好みのピザ生地を見つけていく過程も楽しめるのではないでしょうか。