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インド式ピザ「クルチャ」とは。歴史的背景とレシピについて

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インドに「クルチャ」というピザがあるのをご存じでしょうか。インドでは、カレーと一緒に食べられるナンの生地を用いてピザが作られています。クルチャがどんな料理なのか、気になる人も多いのではないでしょうか。今回は、インドのピザ「クルチャ」を紹介します。

インドのピザとして知られるクルチャとは?

インドのピザと呼ばれるクルチャは、どのような料理なのでしょうか。クルチャについて理解を深め、ピザが好きな友人にクルチャの雑学をお披露目するのもよいでしょう。

クルチャはナンに具材を入れて焼いた料理

クルチャとは、カレーと一緒に食べられるナンの中に具材を入れて焼いた料理を指します。日本にあるインド料理店で本場のクルチャを味わえるでしょう。日本では、2014年8月に放送されたグルメを題材にしたドラマで「チーズクルチャ」が紹介されたことから、視聴者の間で注目を集めました。

チーズクルチャは丸く平べったい形をしており、ピザのように食べやすい大きさにカットして提供されるのがほとんどです。1ピースを手に取ると、切れ目からとろりと溶けたチーズが顔を出します。もちもちした食感のナンとの相性が抜群にいいです。

インド人は日常的にナンを食べていなかった

クルチャに欠かせないナンは、インドカレーとセットで提供する飲食店も少なくありません。しかし、インド人は日常的にナンを食べないといわれています。ナンを作るためには「タンドゥール」と呼ばれる窯が必要ですが、多くの家庭にはタンドゥールがないため、外食でしか食べられない料理なのです。

歴史をさかのぼると、ナンは北インドの宮廷料理として食べられていた料理でした。(*1)現代のインドにおいても、ナンは高級料理に分類されています。そのため、インドでは日常的にナンを食べることがないのです。

インドのナンは円形が一般的

ナンの形を頭に思い浮かべてみてください。日本でナンを食べたことがある人は、お皿から飛び出るくらい大きなしずく形を想像する人が多いのではないでしょうか。実は、インドのナンはしずく形ではなく、ピザのように円形が一般的な形なのです。

日本で提供されるナンがしずく形である理由は謎ですが、しずく形のナンは日本で独自の進化を遂げたといってもよいでしょう。

インドピザのルーツと最新ピザ事情

インドのピザであるクルチャのルーツはどこにあるのか、インドの最新のピザ事情はどうなのかについて紹介します。

インドピザのルーツはペルシャ料理にあった

クルチャを作る上で重要なのが具材を包むナンです。ナンは発酵して膨らませたインドのパンの一つで、インドでは高級料理とされています。ナンのルーツはイランのペルシャ料理にあり、約8000年前から食べられていたといわれるパンの一つです。

17世紀にムガル帝国がインドの一帯を支配していた「ムガル朝」の時代に、ナンがインドに持ち込まれたと考えられています。(*2)実際に、イランでは主食としてナンが食べられており、地域や民族によって異なる調理法や厚さのナンが存在しているのです。(*3)

インドの最新ピザ事情

2014年に、インドの西海岸に位置するムンバイのピザ店で新しい試みが行われました。ピザをドローンで配達する実験に成功したのです。(*4)

ムンバイでは、日常的に大渋滞が発生しています。ピザ店はドローンによるピザの配達実験を行い、目的地にピザを送ることに成功しました。バイクでピザを宅配すると約30分かかる場所に約10分で届けることができたそうです。

2018年には、ムンバイ中央駅にピザの自動販売機が登場しています。コインを入れてメニューを選択すると、約8分で焼き立てのピザが自動販売機から出てくる仕組みです。(*5)このように、インドではカレーだけでなくピザも親しまれていることが分かります。

インドピザのチーズクルチャの作り方

ナンの材料

チーズクルチャに必要な材料は、強力粉(250g)、牛乳(100cc)、水(50cc)、プレーンヨーグルト(25g)、卵(1/2個)、砂糖(25g)、食塩(大さじ1/2杯)、ベーキングパウダー(大さじ1/2杯)、重曹(小さじ1/4杯)、サラダ油(大さじ1杯)、打ち粉、ピザ用チーズ(150g)、バター・サラダ油(適量)を用意しておきましょう。

チーズクルチャの作り方

牛乳、水、ヨーグルト、卵、砂糖、食塩、ベーキングパウダー、重曹をボウルに入れて混ぜ合わせます。強力粉を加えて一つのまとまりになるまで混ぜたら、サラダ油を加えてしっかりこねましょう。ボウルの上からラップをかけ、常温で約2時間寝かせます。次に、生地を丸めて、再びラップをかけて約30分発酵させましょう。

発酵した生地を均等な厚みにのばし、生地の中央にピザ用チーズをのせて広げます。チーズをおおい被せるように生地で包み込みましょう。チーズを包んだら、均等な厚さになるように平たくして円形に整えてください。

フライパンにバターとサラダ油を同量ずつ入れて熱し、円形に整えた生地をのせて中火で焼きましょう。表面にこんがりと焼け目がついたら裏返します。裏面にも焼き目がついたら、チーズカルチャの完成です。

辛い味付けが大乗な方は、是非香辛料(スパイス)も加えてお召し上がりください。

チーズ以外におすすめの具材

クルチャの具材を変えればバリエーションが豊富なクルチャが楽しめます。たとえば、ドライカレーを入れれば「マサラクルチャ」になり、スパイスで味付けして調理した野菜を包めば「パニールクルチャ」もおすすめです。

レーズンやココナッツ、砂糖を包んだ「カブリナン(レーズンナン)」なら、おやつにぴったりのクルチャが作れます。また、夕食で残ったお総菜を包んで焼けば、オリジナルのクルチャが作れるでしょう。

チーズクルチャを作る際の注意点

ナンを作るときに注意したいのは、発酵の時間を守ることです。発酵の工程は時間がかかりますが、モチモチした食感のナンを作る上で重要なため、工程を省かないようにしましょう。

季節によって発酵時間を調整する必要があります。夏は常温の室内に約2時間寝かせておき、冬は暖房を入れた室内で約3~4時間発酵させましょう。生地が膨らんでいるかを確認し、膨らみが足りない場合は30分時間をのばしてください。

まとめ

クルチャはインドのピザと呼ばれており、ピザのように具材を変えることで味のバリエーションが広がる料理です。生地のナンが作られ始めた歴史は古く、インド人にとって高級料理であることが分かりました。

日本ではありがたいことに、インド料理店に行けば食べられる上に、スーパーマーケットで冷凍のナン生地やナンミックスを手に入れることもできます。インドのピザの歴史に思いをはせながら、クルチャを手作りして味わってみてはいかがでしょうか。

参考

*1 https://camelia.co.jp/magazine/book/15

*2 http://net.keizaikai.co.jp/archives/20204

*3 https://parstoday.com/ja/radio/programs-i26728

*4 https://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=en&u=https://www.businessinsider.com/mumbai-eatery-uses-drone-to-deliver-pizza-2014-5&prev=search

*5 https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20181116-00104416/

テーマ画像引用:https://www.archanaskitchen.com/stuffed-vegetable-kulcha-mixed-vegetable-stuffed-indian-flat-bread