近年、激辛料理がブームにあることから、ピザでも激辛のメニューの人気が高い傾向にあります。
なかでも、ディアボラピザやハラペーニョピザなどのトウガラシをトッピングに使ったピザが人気です。そんな中、じわじわと人気が高まっているのが「カラブレーゼピザ」です。
本記事では、カラブレーゼピザの「カラブレーゼ」の意味や起源、カラブレーゼピザの特徴、人気が高まっている理由、レシピや注意点などを解説します。
カラブレーゼピザを手作りしたい人、ピザの豆知識を増やしたいという人は、ぜひ参考にしてください。
カラブレーゼピザとは?
カラブレーゼの意味
カラブレーゼとは、イタリア語でイタリア南部のカラブリア州に住む人のことを指している言葉です。
カラブリア州では、特産品のトウガラシをたっぷり使った料理のメニューに「カラブリア風」という名前を付けていることでも知られています。
また、トウガラシやチーズ、野菜などを煮込んで作るソースの名前に用いられています。いずれにしても、カラブレーゼと名の付く料理にはトウガラシが不可欠なのです。
カラブレーゼの起源
カラブリア州で栽培されているトウガラシは、16世紀頃にアメリカ大陸からスペインを経由して、イタリアのカラブリア州に伝わったと言われています。
カラブリア州は、トウガラシの栽培に適した風土だったため、トウガラシの生産が根付きました。そして、カラブリア州で辛いものが好きな人たちが増えていったのです。
なかでも人気がある加工品は、「ンドゥイヤ」と呼ばれるトウガラシに漬けたサラミです。ほかにも、トウガラシ漬けのハムやベーコン、ソーセージ、チーズなどの加工品も作られています。
このように、トウガラシを使った保存食を作り始めたことが、カラブレーゼの起源と考えられています。
カラブリア州でトウガラシを使った保存食が多い理由は、実は年間を通して安定的に食材が手に入らなかったためです。手に入った安価な魚や肉を保存食にすることで、食料を確保した経緯があったのです。
カラブレーゼピザの特徴
カラブレーゼピザはトマトソースをベースに、サラミやトウガラシ、ナスなどの野菜をトッピングにしたピザのことを言います。ソースは一般的なトマトソースではなく、トウガラシの辛みが効いたピリ辛のソースが特徴です。
サラミやナスは、トマトベースのピリ辛ソースとの相性が抜群に良い食材です。激辛料理が好きな人は、カラブリア産のトウガラシを使ったソースをかけて食べるのもおすすめです。
ソースの中身は、刻まれたバジルやオレガノなどのハーブや、ニンニク、ドライトマトなどがトウガラシのオイル漬けになっています。
カラブレーゼピザの人気が高まっている理由
激辛ブームにより辛みのあるピザが人気
カラブレーゼピザはトウガラシのピリっと辛い味付けが特徴のピザです。そのため、近年の激辛ブームによって、カラブレーゼピザの人気が高まっています。
カラブレーゼピザは単に辛いというだけでなく、サラミやチーズのコクやうまみも同時に味わえます。
カラブレーゼピザは、トマトソースやオイルとも相性が良いナスの甘みも加わり、辛さだけではない深い味わいを堪能できるピザです。
トウガラシが好きな人にぴったり
カラブレーゼピザはトウガラシが好きな人におすすめのピザです。ピザメニューはさまざまな種類がありますが、トウガラシを使ったメニューは限定されます。
もちろん、タバスコやハラペーニョソースなどをふりかけて自分好みの辛さにすることも可能ですが、それではピザの本来の味を楽しめません。
その点、トウガラシが主役と言っても過言ではないカラブレーゼピザなら、手を加える必要がありません。
辛み成分により発汗作用も期待できる
カラブレーゼピザのトッピングにトウガラシが使われていますが、このトウガラシには「カプサイシノイド(カプサイシン)」と呼ばれる辛み成分が豊富に含まれています。
カプサイシンは熱に強いため、加熱しても本来の効果を発揮します。
たとえば、体温の上昇や発汗を促すことが挙げられます。(*1)カプサイシンが口に入ると一時的に体温が上昇しますが、発汗によって体温が徐々に下がっていきます。
気温が高い日に辛い料理を食べた後に涼しさを感じるのは、辛み成分で一時的に体温が上がって、発汗によって体温が下がるためです。
また、カプサイシンにより体温上昇や発汗が促されると、基礎代謝を高めることにもつながります。そのため、カプサイシンはダイエットグッズやサプリなどに広く活用されています。
カラブレーゼピザのレシピを紹介
用意する食材
まずは、必要な食材を用意しましょう。サラミとオリーブオイルは、トウガラシ入りのものを用意できれば、それを使用してください。
トマトソースを手作りする時間がない場合は、カラブレーゼベースのパスタソースをピザソースに活用するのも1つの方法です。
- サラミ
- モッツァレラチーズ(一口大にちぎる)
- ナス(斜めスライス)
- オイル漬けのトウガラシ(輪切り)
- トウガラシパウダー
- ホールトマト缶(2号缶1缶)
- ニンニク(みじん切り)
- 食塩
- ブラックペッパー
- オリーブオイル
- バジル
- ピザ生地
カラブレーゼピザの作り方
カラブレーゼピザを作る手順は、以下のとおりです。
- 熱したフライパンにオリーブオイルを敷き、香りが出るまでニンニクを炒める
- ナスを加えて炒める
※ナスが油を吸うため、足りない場合はオリーブオイルを加えてください
- ホールトマト缶を加えながらトマトを軽くつぶし、煮立たせる
- 水分が減ってソースにとろみが出たら、食塩とブラックペッパー、トウガラシパウダーを加えて味を整える
- ソースの粗熱がとれたら、ピザ生地の表面にソースを塗り広げ、ナスも均等に乗せる
- サラミやモッツァレラチーズ、オイル漬けのトウガラシを乗せてオーブンで焼き上げ、バジルの葉を散らせば完成
カラブレーゼピザを調理する際の注意点
ソースに使用するトウガラシの量に注意する
カラブレーゼピザを作るときの注意点は、トウガラシパウダーを入れすぎないことです。激辛料理が好きだからと言ってソースに大量に投入すれば、パサついた食感の悪いソースに仕上がってしまいます。
カラブレーゼピザの決め手となるソースは、ピザの顔と言えます。単にトウガラシで辛いだけのピザにするのではなく、ニンニクの香りやコクのあるバランスの良いソースに仕上げましょう。
まとめ
カラブレーゼピザは、イタリア南部のカラブリア州の郷土料理にルーツがあるピザです。激辛料理のブームも手助けし、カラブレーゼピザの人気は高まりつつあります。
トウガラシをふんだんに使った加工品を準備し、オリジナルのカラブレーゼピザを作ってみてはいかがでしょうか。その際は、上記の注意点を参考にしてください。
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