胡椒といえば、ナツメグやシナモン、クローブに並ぶ「世界四大スパイス」の一つとして知られています。胡椒は「スパイスの王様」とも呼ばれており、和洋中のさまざまな料理に欠かせない貴重なスパイスです。
ピザに胡椒を振りかければ、よりおいしいピザに変身させられるでしょう。今回は、ピザと胡椒の相性がいい理由や胡椒の正しい選び方、胡椒を使ったおすすめのピザレシピなどを紹介します。
ピザと胡椒の相性がいい理由
スパイシーで食材を引き立たせる
胡椒はピリッとした辛みや香りがあるため、パンチのある風味に変身させられます。それでいて、食材の存在感を高めておいしさをより引き立たせることも可能です。胡椒を振りかければ全体を引き締め、スパイシーで大人向けのパンチのあるピザに仕上げられるでしょう。
消化の働きを助ける
胡椒は今では常備品の調味料の一つですが、もともと通貨や医薬品として古くから用いられていたといわれています。医薬品として活用されていたのは、胡椒に鉄分やカルシウム、カリウム、ビタミンBなど健康に欠かせない栄養素が含まれており、食欲の促進や消化の働きを助ける効果があると考えられてきたからです。(*1)
胡椒はピザにとって味を引き締める効果もありますが、消化を助ける働きがある面から考えても相性がいいといえます。ピザのトッピングにはチーズやベーコン、サラミなどの高カロリーな食材を多く使用するため、体調や体質によっては胃腸に負担がかかる場合があるのです。消化の働きを助ける胡椒を振りかけることで、ピザをおいしく味わえるでしょう。
胡椒の正しい選び方
胡椒にはブラックペッパーやホワイトペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパーなどの種類があります。また、産地や胡椒のひき方によって、相性のいい料理が変わってきます。胡椒の正しい選び方を知り、作りたいピザにぴったりの胡椒を選びましょう。
胡椒の産地から選ぶ
胡椒は原産地のインドやマレーシアなどで生産されています。産地によって胡椒の香りや味わいが異なるといわれているため、ピザのトッピングやソースに合わせて選ぶとよいでしょう。
インド産の胡椒は香りが強く、ピリッとした辛さが特徴的です。マラバル胡椒やアレッピー胡椒、テリチェリー胡椒などの種類があげられます。マレーシア産のサワラク胡椒は日本で多く流通しており、日本でなじみのあるブラックペッパーです。ほかにも、インドネシアやブラジル、ベトナムなどの産地の胡椒があります。
胡椒の種類から選ぶ
胡椒の種類によっても風味や味わいが異なります。ブラックペッパーは香りや味が強い特徴があり、肉料理やカルボナーラなどとの相性がいいです。ピザのアクセントとして活用できるでしょう。
ホワイトペッパーはピリッとした辛さはありますが、ブラックペッパーよりも香りが少なめです。白身魚の料理や隠し味のような使い方をしたいときにおすすめです。ホワイト系がベースのピザの仕上がりを邪魔しません。
グリーンペッパーは熟れる前の胡椒の実で、さわやかな香りでありながらもパンチのある辛みが特徴です。おもに、魚料理やスープ、サラダ、ソースなどの仕上げに用いられます。サラダピザに合わせてみてもよいでしょう。
ピンクペッパーは「赤胡椒」とも呼ばれており、真っ赤に色付いた見た目が特徴的な胡椒です。ほかの胡椒よりも香りや辛みは控えめなため、カルパッチョやサラダ、マリネなどの冷製料理やスイーツのトッピングとしても使われています。スイーツ系のピザにもおすすめです。
胡椒のひき方から選ぶ
胡椒は粒状の実のままの「ホールペッパー」や、粗くひいた「粗びきペッパー」、粉状にひいた「パウダーペッパー」の3種類があります。ピザのトッピングとしては、粗びきペッパーやパウダーペッパーがおすすめです。
より胡椒の味を際立たせたいピザに仕上げるなら、調理や食べる直前にホールペッパーをミルでひいて振りかけるとよいでしょう。
胡椒を使ったおすすめのピザレシピを紹介
ほんのり甘くてスパイシーな「はちみつと胡椒のピザ」
胡椒の香りや味を楽しむなら、はちみつとチーズだけのシンプルなピザがおすすめです。必要な材料は、お好みのチーズとはちみつ、ブラックペッパーだけなので、ピザ生地さえあればすぐに作れます。
作り方は、ピザ生地にお好みのチーズを乗せて約250度に温めたオーブンで10分ほど焼きましょう。チーズがとろりと溶けて焼き上がったら、はちみつ、粗びきのブラックペッパーを振りかけて完成です。チーズやブラックペッパーの組み合わせを変えて、自分好みのピザを作ってみてはいかがでしょうか。
さわやかでクリーミーな「レモンとサワークリームのスイーツピザ」
ピンクペッパーと相性がいいスイーツピザのレシピを紹介します。必要な材料は、薄くスライスしたレモンとサワークリーム、ピンクペッパー、グラニュー糖です。
クリスピーのピザ生地全体にサワークリームを塗ったら、レモンスライスをまんべんなく乗せましょう。グラニュー糖とホールのピンクペッパーを振りかけたら、約250度に温めたオーブンで10分ほど焼けば完成です。お好みでサワークリームやグラニュー糖をさらにトッピングをして食べるのもよいでしょう。
胡椒を使用する際の注意点
アレルギー物質が含まれる胡椒がある
市販される胡椒の種類によって、アレルギー物質が含まれている場合があるため、食物アレルギーが心配な人は注意しましょう。たとえば、胡椒の辛みを抑えるためにホワイトペッパーに小麦粉を配合されたものがあります。
過去に、胡椒の増量剤としてそば粉を無表示で添加していたという事例がありました。アレルギー物質を含む場合は表示が義務付けられているため、アレルギーに不安がある人は必ず表示を確認してから使用しましょう。
調味料がブレンドされた胡椒の塩分のとり過ぎに注意
複数の胡椒をブレンドした調合スパイスを使用する際は、塩分のとり過ぎに注意しましょう。調合スパイスには味を整えるために、食塩が用いられる場合があります。知らずに多く振りかければ、塩分をとり過ぎてしまうかもしれません。
とくに、ピザは生地やチーズ、加工品などに塩分が多く含まれているため、必要以上の塩分をとり過ぎる恐れがあります。ブレンドされた胡椒を使用する際は、食塩が含まれているかをチェックしてから適量を振りかけましょう。
まとめ
胡椒には種類や産地、ひき方などさまざまなバリエーションがあり、料理の仕上げや隠し味に欠かせないスパイスです。胡椒を振りかければ、よりおいしくピザを味わうことができるでしょう。胡椒を使ったおすすめのピザレシピや注意点を参考に、自分好みの胡椒を使ったピザを作ってみてはいかがでしょうか。
参考