どの食品にも賞味期限があるように、ピザにも賞味期限があります。
トッピングの種類などによっても異なりますが、目安となる賞味期限を守ることで、ピザをおいしく味わえます。
本記事では、ピザの賞味期限やピザの風味を長持ちさせるためのコツ、保存する際の注意点をくわしく解説しているため、食べきれなかったピザを保存する際の目安にしてください。
そもそも賞味期限とは?
賞味期限の意味を正しく理解していないという人もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、賞味期限の定義や消費期限との違いについて解説します。
賞味期限の定義
農林水産省では、賞味期限を「その食品をおいしく食べられる期限」と定義しています。(*1)賞味期限が示しているおいしく食べられるとは、あくまでも食品が未開封で、記載された正しい保存方法を守っている場合に限られます。
つまり、一度開封してしまうと、食品が空気に触れ、時間がたつほど風味が損なわれるため、賞味期限の意味をなしません。
一般的に、缶詰めやスナック菓子、ペットボトルタイプの飲料品などの傷みにくい食品に記載されています。
消費期限との違い
賞味期限と似た言葉に消費期限という言葉があります。農林水産省では、消費期限を「期限が過ぎたら食べないほうが良い」と定義しています。(*1)
一般的に、お弁当やお総菜などの調理品や、サンドイッチ、ケーキなどの傷みやすい食品に記載されている場合が多いです。
賞味期限と消費期限の大きな違いは、賞味期限が食品をおいしく味わえる指標であるのに対し、消費期限は食品を安全に食べられる鮮度を表す指標であることです。
宅配ピザ・冷蔵ピザ・冷凍ピザの賞味期限
宅配ピザや手作りピザ、市販の冷蔵ピザや冷凍ピザなどのように、ピザにはさまざまな種類があります。どの種類のピザであるかによって、賞味期限は異なります。
ここでは、それぞれのピザの賞味期限の目安を確認しておきましょう。
冷凍ピザの賞味期限は1カ月程度
ピザの種類のなかでも賞味期限が長いのは、冷凍ピザです。冷凍状態で保存できるため、ピザの風味を損なわずに長期間の保管が可能です。冷凍ピザの賞味期限の目安は、1カ月程度といわれています。冷凍庫で保管する際は、ピザが割れたりつぶれたりしないように注意しましょう。
冷蔵ピザの賞味期限は7~10日程度
市販品に多い冷蔵ピザは、保存料や酸化防止剤などの添加物が入っているため、宅配ピザや手作りピザよりも賞味期限は長めに設定されています。
目安となる賞味期限は、7~10日程度です。上述したように、あくまでも未開封の状態で冷蔵庫に保管した場合の賞味期限であるため、開封してしまった場合は、賞味期限にかかわらず、なるべく早めに食べきりましょう。
宅配ピザ・手作りピザの賞味期限は1日程度
宅配ピザや手作りピザは保存料などを使用しないため、賞味期限は長くありません。
目安となる賞味期限は1日程度です。つまり、宅配ピザが自宅に届いた日、ピザを手作りしたなら焼き上げた日がピザの賞味期限といえます。食べきれなかったピザを翌日に温めて食べるなら、冷蔵庫で保管しましょう。
ピザを長持ちさせるためのコツ
冷蔵ピザや冷凍ピザを保存する場合は、未開封の状態で冷蔵庫や冷凍庫に保管します。
一方、食べきれなかった宅配ピザや手作りピザを少しでも長持ちさせたいのなら、以下の3つのコツを参考にして保管しましょう。
粗熱をとってからラップで包む
焼き上げたピザを保存すると、粗熱で加熱しすぎになったり、冷蔵庫の温度が上昇してほかの食品の風味を損なったりする可能性があります。温度が高いピザは、冷ましてからラップに包んで保管するようにしましょう。
ラップを包む際のコツは、なるべくラップとピザを密着させて空気を入れないことです。空気が多いほど、酸化や乾燥しやすくなるため、注意しましょう。
数時間後に食べるなら、野菜室がおすすめ
ピザを冷蔵庫に保管する場合は、冷蔵室に入れるケースが多いです。しかし、ピザを長持ちさせるなら、通常の冷蔵室よりも温度がやや高めに設定されている野菜室がおすすめです。
一般的な冷蔵室の温度は0~4℃で、野菜室は5~7℃に設定されています。
ピザを保管する場所の温度が低すぎると、トッピングのチーズやサラミなどの肉加工品に含まれる脂が固まりやすくなるため、ピザの風味を損なってしまいます。
その日のうちにピザを温めて食べるなら、野菜室に保管しましょう。
冷凍するならフリーザーバッグに入れる
翌日にピザを食べる予定がないなら、冷凍保存がおすすめです。ピザを冷凍庫で保存する場合は、上述したとおりにラップで包み、さらにフリーザーバックに入れてから保管します。
フリーザーバッグにピザを入れる際も、なるべく空気を除いてから封をしましょう。
また、手作りしたピザ生地が余った場合は、1枚分の量に丸めて冷凍保存すると、次回以降にピザを作る際に便利です。
賞味期限が切れたピザは食べられない?
ピザの種類によって、賞味期限が異なることがわかりました。では、賞味期限を過ぎてしまったピザは処分するしかないのでしょうか。
未開封のピザなら、異臭や見た目に変化がないか確認する
ピザを食べる予定で買ったものの、すっかり食べるのを忘れていたという経験がある人もいらっしゃるでしょう。
そのような場合に、ピザを食べてもいいのか判断に困るケースも多いです。ピザの賞味期限は、あくまでもおいしく食べられる期限であるため、賞味期限の次の日でも食べられる可能性が高いです。
ただし、ピザのトッピングの種類によっては風味が落ちている場合が考えられます。未開封のピザであれば、開封して異臭がしたり、カビが生えたりしていないかなど、ピザに異常がないかを確認します。
異常がなければ、自己責任のもとでしっかりと加熱してから食べましょう。
開封済みのピザは潔く処分しよう
食べ残しや一度開封してしまったピザの場合は、賞味期限は役に立ちません。
開封したピザや調理済みのピザは、空気に触れており、すでに酸化が始まっています。空気に触れた食品は少しずつ風味が落ちるため、場合によっては食中毒を引き起こす可能性があります。
もったいないと思うかもしれませんが、開封したピザは食べずに処分するようにしましょう。
まとめ
ピザの賞味期限は、保存料や酸化防止剤などの添加物が入っているのか、冷凍保存できるのか、未開封なのかによって、異なります。賞味期限は、あくまでも未開封状態、もしくは口をつけていない状態で適切に保管した場合の目安にすぎません。
賞味期限内であっても、適切に保存していなかったり、開封したりすれば、風味が落ちてしまい、ピザ本来の味を楽しめなくなります。
上述した種類別の賞味期限の目安や、ピザの風味を長持ちさせるためのコツを参考にして、ピザを正しく保存しましょう。
参考URL
*1 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html