本格的なナポリピザが食べられるお店では、ピザ職人がピザ生地を空中でグルグルと回している姿を見ることができます。そんなピザ職人のスゴ技を目にして、一度はチャレンジしてみたいと思う人も多いことでしょう。
ただ、なぜピザを回す必要があるのか疑問に思う人もいるかもしれません。そこで、ピザ回しでピザ生地を伸ばす理由や、ピザ回しができない人におすすめの代替案を紹介します。
ピザ回しとは?
ピザ回しとは、ピザ生地を空中で回す技術のことをいいます。ピザ生地を伸ばす際、さまざまな方法がありますが、ピザ回しはその方法の一つなのです。
しかし、ピザ生地をただ回せばよいというわけではありません。手指を巧みに利用してピザ生地を空中で回転させ、さらに生地の厚みを薄くしていく必要があります。ピザ回しには、高度なテクニックが必要とされているのです。
一説には、ピザ職人がお客を喜ばせるためのパフォーマンスとして披露したことが、ピザ回しのはじまりだったといわれています。そして、最近ではピザ回しの高度なテクニックを競う大会が世界各地で開催されているようです。
ピザ回しには世界大会がある
ピザ回しはピザを伸ばすためのテクニックですが、最近ではスポーツの競技として、広く知られるようになりました。巧みにピザ生地を操る技を競うための世界大会が、ピザの本場のイタリアやアメリカだけでなく、日本でも開催されています。
日本人のピザ職人が世界チャンピオンに輝いたこともあるようです。ピザ回しの人気は、日本国内でも広がっており、ピザ生地の形に似せて作られた練習用のラバーが多数販売されています。練習用のラバーを使えば、子どもから大人までピザ回しを趣味の一つとして楽しむことができるでしょう。
ピザ回しで生地を伸ばす理由
ピザ生地を空中で回転させることは、ピザ生地を床に落とすリスクがあります。ピザ回しで生地を伸ばすことにどんな理由があるのでしょうか。ピザ回しをする三つの理由を紹介します。
遠心力を利用して均等に生地が伸ばせる
ピザ生地を空中で回転させるとき、生地には遠心力がかかります。遠心力を利用することで、素早く生地を均等に伸ばせるのです。生地の厚さが均等になれば、焼きムラが少ないピザを焼くことができるでしょう。
生地の厚さが異なりデコボコしていれば、生地だけでなくトッピングも生焼けになってしまうかもしれません。二度焼きすれば必要以上に加熱することになり、ピザ本来のモチモチな食感を楽しむことができないでしょう。
外側はカリッと、中はモチモチしたおいしいピザを作るためには、なるべく均等な厚さの生地にする必要があるのです。ピザ回しをすれば、生地に触れる時間を短くしつつ素早く均等に生地を伸ばすことができます。
モチモチの触感が楽しめる生地に仕上がる
ピザ回しは単に厚さを均等にするために、行うわけではありません。ピザ回しをすることで、生地内に含まれる空気が均一に散らばり、モチモチの食感が楽しめる生地に仕上がります。また、生地表面にデコボコがない見た目がよいピザを作ることができるのです。
一方で、回転させずにピザ生地を伸ばす方法で行った場合、生地内の空気は押しつぶされてしまいます。生地表面がデコボコするため、焼きムラができる可能性があるのです。
パフォーマンスとして見ている人を喜ばすことができる
ピザ回しの世界大会があるように、ピザ生地を空中で回したり投げたりするテクニックは、パフォーマンスとしても最適です。注文を受けてからピザ回しをすれば、ピザを待っているお客を喜ばせることができます。
自宅でピザパーティーをする場合、招待客の前でピザ回しをすればみんなをアッと驚かすことができるでしょう。ピザ回しをすれば、ピザを作る人もできあがるのを待っている人も楽しむことができるのです。
ピザ回しが難しい人におすすめの代替案
ピザ回しは高度なテクニックが必要なため、誰でも簡単にできるとは限りません。ピザ回しが難しい人は、どのようにすれば均一なピザ生地を作ることができるのでしょうか。ピザ回しに代わる方法を提案いたします。
指で引っ張るように生地を伸ばす
発酵済みのピザ生地を手のひらで軽く押し付けて伸ばす方法で、生地を均等に伸ばすことができます。まずは、ピザ生地に打ち粉を多めに振り、生地を両手で持ち上げましょう。重力で生地が下に伸びる力を利用して、生地を横に伸ばしていきます。
生地のふちを時計まわりに回しながら、繰り返し行いましょう。ピザ生地の中央が薄く伸びて、ふちがやや厚めになれば完成です。慣れないうちは、100g程度の生地で直径20cm程度の大きさになるようにピザ回しにチャレンジしてみましょう。慣れてきたら、大きなピザ回しに挑戦してみてください。
台の上で麺棒を使って生地を均等に伸ばす
上記の方法が難しい場合は、台の上で麺棒を使って生地を伸ばしましょう。ピザ生地作りの初心者におすすめの伸ばし方といえます。台の上で行うため、簡単に生地を均等に伸ばすことができます。
ピザ回しのように、ピザ生地を落としたりピザ生地に穴を開けたりする心配がありません。簡単にピザ生地を薄く伸ばすなら、麺棒を使うとよいでしょう。上手に伸ばすコツは、台の上で生地を回転させながら伸ばしていくことです。
練習用ラバーでピザ回しの特訓をする
ピザ回し初心者の場合、最初からピザ生地を回すのは難しいでしょう。床に落とすリスクがあう上に、均等に回せないと生地に穴を開けてしまう可能性があります。ピザ生地を回す前に、ピザ回しの練習用ラバーを使って特訓してみてはいかがでしょうか。
練習用ラバーは、ピザ回しの練習用として最適なグッズです。ゴムやシリコンで作られているため、ピザ生地のように薄く程よい重さがあります。練習用ラバーで上手に回せるようになってから、本物のピザ生地で実践してみるとよいでしょう。練習用ラバーは、ネット通販で購入できます。
ピザ回しをする際の注意点
ピザ回しをする際は、二つのポイントに注意しましょう。ピザ生地を伸ばす際に注意しておきたいのは、発酵が不十分だと生地がうまく伸びないことです。生地の発酵具合は、その日の気温や湿度などの環境によって変わってしまいます。生地の伸びが悪いと感じたら、30分程寝かせてから再チャレンジしてましょう。
生地を回転する際、指で触る時間が長かったり一点集中したりすると、生地に穴が開いてしまいます。そのため、高度な技を再現することは難しいでしょう。ピザ回しの世界大会で用いられる生地は、通常のピザ生地よりも硬めに作られています。高度な技にチャレンジしたいのなら、練習用ラバーを使用しましょう。
まとめ
ピザ回しを行うことで、ピザ生地をより均一に薄く伸ばすことができ、モチモチの食感が楽しめることに納得いただけたことでしょう。もっとおいしい手作りピザを作ってみたいという人は、ピザ回しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。家族や友人の前でピザ回しを披露すれば、その場をさらに楽しく盛り上げることができます。ぜひ、一度挑戦してみてくださいね。