ピザもパスタもイタリアで生まれた料理ですが、どちらも日本人の食生活に欠かせない料理です。
本記事では、ピザとパスタの歴史や共通点、ピザのトッピングにも使えるパスタのレシピなどを解説します。
また、ピザとパスタをセットにする際の注意点も紹介しているので、参考にご覧ください。
ピザとパスタはどちらが先に登場したのか?
ピザとパスタは、どちらもイタリアを代表する料理ですが、どちらが先に歴史に登場したのでしょうか。ここでは、ピザとパスタの歴史について解説します。
ピザの歴史
ピザの起源をたどると、紀元前3000年頃の古代エジプト時代にまでさかのぼります。
当時に食べられていたものはピザといえるようなものではなく、小麦粉に水を加えて焼いたものが食されていました。さらに、発酵の工程などが加わり、パンのようなものへと変化していきます。
現代のピザに似たものがイタリアで作られたのは、16世紀頃です。小麦粉で作った生地に、ニンニクやラード、食塩などが練り混ぜられていました。
その後、バジルなどのハーブやコショーなどのスパイス、小魚などをトッピングにして作られたものが、最古のピザといわれています。
さらに、16世紀後半になると、イタリアの南部で栽培されるようになったトマトや、ナポリ近郊で作られたモッツァレラチーズなどの登場になり、マルゲリータの誕生につながっていきます。(*1)
パスタの歴史
パスタの起源として有力とされる説は、古代ローマ時代のおかゆ「プルス」と考えられています。おかゆといっても、日本とは異なり、小麦をはじめとする穀物を煮込んだものを指します。
13~14世紀に入ると、パスタはイタリアの家庭料理に欠かせない食材として広く普及しました。15世紀では、現代のような棒状の乾燥パスタが誕生しています。(*2)
その後、17世紀頃に観賞用だったトマトが食用として改良されたのをきっかけに、パスタにソースをからめて食されるようになったのです。(*3)
ピザとパスタの共通点
ピザとパスタは、同じイタリア料理ですが、見た目はまったく異なります。しかし、いくつもの共通点があります。ここでは、ピザとパスタの共通点について確認しておきましょう。
どちらも原材料は同じ小麦粉を使用
ピザは生地をオーブンなどで焼き上げ、パスタは鍋でゆでるのが一般的な調理法です。製造工程も調理法もそれぞれ異なる両者ですが、どちらも小麦粉を原材料に使用して作られています。
イタリアの主食は、フォカッチャなどのパンとされています。イタリアでは、古くから小麦をひいて粉状にしてから調理するといった歴史があります。
そのため、イタリア人にとって小麦粉は、日本人にとってのお米のような存在です。その小麦粉から作られたのが、ピザとパスタなのです。
同じ味付けを楽しめる
ピザとパスタは、まったく異なる料理ですが、どちらも同じ味付けで調理できます。たとえば、マリナーラ、ペスカトーレ、カラブレーゼ、ビスマルク、ボンゴレなどのように、共通のメニュー名が多数存在します。
そのため、パスタソースをそのままピザ生地のトッピングに利用することも可能です。
エネルギー補給ができる
炭水化物は、タンパク質や脂質と並び、エネルギー源として欠かせない栄養素の1つです。ピザとパスタは、炭水化物が多くを占めているため、エネルギーを食事から効率的に摂取できます。
ピザのトッピングにも使えるパスタのレシピを紹介
パスタソースを多めに作っておけば、ピザのトッピングを用意する手間を省けます。ここでは、ピザのトッピングにもおすすめのパスタレシピを紹介します。材料の目安は4人前です。
エビのトマトクリーム
トマトクリームの濃厚な味わいは、パスタにもピザにもおすすめです。
【用意する食材】
・殻付きのエビ(20尾)
・タマネギ(1個・スライス)
・ニンニク(2片・みじん切り)
・有塩バター(40g)
・オリーブオイル(大さじ2杯)
・食塩、コショー
・パスタ(4束)
【トマトクリームソースの材料】
・ホールトマト缶(800g)
・顆粒タイプのコンソメ(小さじ2杯)
・生クリーム(1P)
・ケチャップ(大さじ4杯)
・食塩、コショー
【作り方】
1.解凍したエビの背ワタと殻を取り除き、食塩とコショーで下味をつける
2.パスタをゆでる用のお湯を沸かす
3.フライパンに有塩バターとオリーブオイルを入れ、ニンニクに香りが出るまで炒める
4.タマネギがしんなりするまで炒め、エビに火が通るまで加熱する
5.エビだけを取り出し、トマトクリームの材料をすべて入れて煮込む
6.湧いたお湯に食塩を入れてパスタをゆでる
7.パスタは既定のゆで時間よりも30秒程度早めにザルにあげ、エビと一緒に5のソースに加えてからめる
8.食塩とコショーで味を整えれば完成
ボンゴレ
魚介類が好きな人は、ボンゴレもおすすめです。アサリの殻を取り除いてピザのトッピングにすれば、ボンゴレピザが簡単に作れます。
【用意する食材】
・殻付きのアサリ(砂抜き済み・800g)
・ニンニク(2片・みじん切り)
・タカノツメ(2本・種を除く)
・イタリアンパセリ(お好みの量・粗めのみじん切り)
・白ワイン(120ml)
・パスタのゆで汁
・オリーブオイル(120ml)
【作り方】
1.フライパンにオリーブオイル(80ml)、ニンニク、タカノツメを入れて、ニンニクオイルを作る
※ニンニクが焦げないように火加減に注意する
2.1にイタリアンパセリを加えて軽く火を通し、アサリ、白ワインを入れて蒸す
※パセリは飾り用に1/3量程度残しておく
3.アサリの口が開き始めたタイミングで火を止め、ふたをした状態ですべてのアサリの口が開くまで蒸す
4.アサリだけを取り出し、ゆで上がったパスタを3に加えて、アサリの煮汁を吸わせる
※パスタは既定のゆで時間よりも2分程早くザルにあげる
5.水分が足りない場合は、パスタのゆで汁を加えて加熱する
※ゆで汁を加えると塩気が強くなる場合は水でOK
6.残しておいたオリーブオイルとイタリアンパセリ、アサリを入れて混ぜ合わせれば完成
ピザとパスタをセットにした場合の注意点
ピザもパスタも炭水化物が多く含まれているため、食べ過ぎるとカロリーのとりすぎになってしまいます。摂取カロリーが増えすぎると、肥満の原因になるため、栄養のバランスを考慮したメニューにしましょう。
また、ピザやパスタなどの小麦の加工品に多く含まれるタンパク質の「グルテン」は、消化がしづらく、腸にこびりつきやすい性質があります。
体質によって、便秘や消化器官の機能低下を引き起こす可能性があるといわれています。
このようなリスクを低くするためにも、ピザやパスタだけではなく、腸内環境を整える作用がある食物繊維や善玉菌を多く含む発酵食品なども一緒にとるようにしましょう。(*4)
まとめ
ピザとパスタには共通点が多く、同じ味付けを楽しめることがおわかりいただけたことでしょう。上記で紹介したパスタのレシピを参考にして、パスタソースを多めに作り、ピザのトッピングに活用してみてはいかがでしょうか。
ただし、ピザとパスタを同時に食べる場合は、食物繊維や発酵食品などをうまく取り入れるようにしましょう。
参考URL
*1 https://pizzakyogikai.gr.jp/roots.html
*2 https://nisshin-foods.jp/mama/basis/history.html